酒井屋珈琲で豆を買う

エッセイ

近くによる用事があったので。

finca santuario carbonic maceration
cafe do colombia
Xanadu

uganda
african moon

☕️ **[前衛 × 華美 × 脳内トリップ系]

Finca Santuario Carbonic Maceration / Cafe do Colombia / Xanadu**
この三銘柄は、いずれも味覚以上の体験を提供する“コーヒーの表現型”。一言でまとめるなら「飲むアート」だ。Finca Santuarioはワイン的な発酵香が特徴で、カーボニック・マセレーション由来のグレープやカシス系がぐっと前面に出る。抽出によってはラム酒のような芳醇さも漂い、口に含んだ瞬間、甘酸っぱさと柔らかな酸味が波のように押し寄せる。クリーンさより“複雑性”を楽しむ豆で、酸味フェチにはたまらない。

Cafe do Colombiaは、その対極ともいえる安心感と王道感。ヘーゼルナッツやカラメル、柑橘系の程よい酸が中煎り〜深煎りで絶妙に混じり合い、ラテにしても本領を発揮。構成力が高く、どんな器具でも安定した味を引き出せる。朝の一杯としても、読書のお供としても完璧な“クラシック”。

Xanaduはマニアにこそ飲んでほしい異世界系。エチオピア系のフローラルさと発酵香、アジア系豆のコクが多層に折り重なり、抽出によってジャスミン→青リンゴ→ラベンダーへと香味が変遷する。冷やしてワイングラスで飲むと香りの構造が際立ち、もはやコーヒーではなく記憶操作系のドリンク。一筋縄ではいかないが、ハマると沼。

🌑 **[静寂 × 調和 × 思索の時間]

Uganda / African Moon**
この2種は、前者3つと比べて“沈黙の魅力”を持つライン。Ugandaは地味ながら、浅煎りでグレープフルーツ様の酸味と爽快感が際立ち、深煎りでは黒糖とカカオ感が加わる。骨太なボディが特徴で、単品でじっくり向き合える“コーヒーらしいコーヒー”。甘味も苦味も突出せず、思考に寄り添うような存在感。エスプレッソでの抽出がベストだが、ミルクでも奥行きが消えないのは好印象。

African Moonはブレンドとしての完成度が非常に高く、深煎りでチョコレート系の甘みがまろやかに広がる。カフェイン控えめで夜向きの一杯。読書、音楽、星空といった静かな時間にフィットし、飲み終えても香りの余韻が残り続ける。ネーミング通り、“月夜に寄り添う”コーヒーとして手元に残しておきたい一本。

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